「笑ってください」

最近診断メーカーやお題ガチャなどで創作ネタを探してはメモしています。
ということで、診断メーカー「あなたに書いて欲しい物語」の診断結果より一作書いてみました。

診断結果:あまぐりさんには「笑ってください」で始まり、「だからもう終わりなんだ」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば5ツイート(700字)以内でお願いします。

続きから本文です。

「笑ってください」

 唐突にそう言われた。

「なんで」
 率直な疑問だった。
「なんでも。笑ってほしいから言ったまでです」
 答えを聞いても理解できなかった。それどころか、ますます分からなくなってしまった。
「笑ってほしい? 理由は?」
「理由? 笑ってほしいのに理由なんていります?」
 そう返されてしまえばもうお手上げだ。自分でも少し考えてみたが、やはり何も分からないままだ。
「うーん、強いて言うなら……アナタ、いつも暗い顔ばかりしてるじゃないですか。なんていうか、見てるこっちまで沈んじゃうというか」

「暗い? 誰が?」

「え、まさかの自覚なし……!?」

 相手が信じられないような目でこちらを見た後、しまった、という表情に変わる。
「もしかして、今の言葉で怒っちゃいました……?」
 相手が恐る恐る尋ねてきた。
「別に。怒ってない」
「ほ、本当ですか?」
「本当」
 怒ってないのなら良かった……と胸を撫で下ろしている。感情の起伏に乏しい自分と違って、相手は事あるごとに表情が二転三転して忙しい。
「暗い……かどうかは分からないけど、そう見えるのは、自分には何もないから……」
「確かに『暗い』は言いすぎましたけど! 誰もそこまで言ってませんって」
「表情が変わらなくて不気味とはよく言われる」
「不気味なんて感じたことはないですけど」
「……やっぱり、変」
「変じゃないです!」
「こんな自分と一緒にいるなんて」
「こんな自分、なんて言わないで!」
「でも」
「あ~、この話はもういいですって! もう終わり!」

 相手に押し切られて話が有耶無耶になってしまった。だからもう終わりなんだ。


以下、解説という名の蛇足。

「笑って」という言葉から普段はあまり笑わない人なのかな、というところまでは考えたんですが……。
字数制限もあってなんかよく分かんない展開になりました。迷走してるのが分かりますね。

字数はGoogleドキュメントで数えたら693字(スペース除く)だそうです。かなりギリギリだった。